この《Brazing Wind(ブレージング・ウインド)》は2016年に東海大学付属高輪台高等学校吹奏楽部の委嘱により作曲し、同年同校より初演されました。ブレージングの本来の意味は金属の接合や溶接を表します。ウインドは風という意味です。直訳すると「風の融合」となりますが、ブレージングの語源がブラス、黄銅あるいは真鍮とされている点や、ウインドをウインドオーケストラと置き換えることで、「吹奏楽・楽器の解け合い」を表現しています。
冒頭、8分休符を含んだ3連符が力強い幕開けを告げます。細かい音符がせめぎあい、音の輪郭が形成されます。木管楽器の駆け上がりに向かえられ、テンションコードの高い旋律が朗々と演奏されます。転調されシャープ系の明るく鋭いハーモニーが華やかに奏でられ、フルートソロをはさみ6/8+3/4の混合拍子へと進みます。途中3/4+3/4拍子の組合せに変わり同じモチーフを使用しながらも、アクセントの位置が入れ替わります。中盤、前半とは対象的にクラリネット群のみで静かに始まるコラール。続いて、旋律を円錐形楽器(フリューゲルホルン・コルネット・ホルン)で演奏され、金管バンドのような美しいハーモニーが特徴的です。旋律が木管に受け継がれ、最後は円筒形楽器(トランペット・トロンボーン)も加わりトゥッティで壮大に歌い上げられます。終盤、木管とマリンバで構成される半音を用いた16分音符のパッセージに合わせ、低音楽器が緊張感ある旋律を奏でます。金属音をイメージしたホルンのゲシュトップと、トロンボーンのリズムがぶつかり、次第に冒頭の旋律が復元されます。全編を通し楽器や声部の繋がり、音色の変化を意識し作曲しました。
(内藤友樹)
Piccolo
Flute 1, 2
Oboe (option)
Bassoon (option)
Clarinet in E♭ (option) (doub. Clarinet in B♭)
Clarinet in B♭ 1, 2, 3
Bass Clarinet in B♭
Alto Saxophone in E♭ 1 (doub. Soprano Saxophone in B♭)
Alto Saxophone in E♭ 2
Tenor Saxophone in B♭
Baritone Saxophone in E♭
Trumpet in B♭ 1 (doub. / opt. PiccoloTrumpet in B♭ & Flugelhorn in B♭)
Trumpet in B♭ 2, 3 (doub. / opt. Cornet in B♭)
Horn in F 1, 2
Horn in F 3, 4 (option)
Trombone 1, 2
Trombone 3 (option)
Euphonium
Tuba
Contrabass (option)
Piano
Harp (option)
Timpani:Claves, Sleigh Bells, Wind Chime
Percussion 1:Snare Drum, 3Tom-toms, Castanets, Wind Chime, Triangle, Chinese Gong
Percussion 2:Bass Drum, Gong, 4Temple blocks, Tambourine, Ride Cymbal, Suspended Cymbal, Vibraphone, Xylophone
Percussion 3:Glockenspiel, Vibraphone, Xylophone, Marimba, Suspended Cymbal, Crash Cymbals
2023年 ヤマハエレクトーンフェスティバル2023 ソロ演奏部門
2018年 第73回東海吹奏楽コンクール / 岐阜聖徳学園高等学校吹奏楽部
2016年 第27回定期演奏会 / 東海大学付属高輪台高等学校吹奏楽部
2016年 第56回東京都高等学校吹奏楽コンクール / 東海大学付属高輪台高等学校吹奏楽部
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